令和7年司法試験合格体験記(be a lawyer講師N)〜2回目の挑戦で上位合格できた理由〜
2025年12月25日
勉強法
1.はじめに
この記事を書かせていただくにあたり、私自身は多くの人に助けられて、司法試験合格という目標を達成することができました。その支援やサポートがあることに感謝すると同時に、私自身の経験が皆様のお役に立つことを願い、書かせていただきます。
2.経歴
私の経歴は、正直あまり興味がないと思うので、簡潔に書きます。私は、偏差値50くらいの私立大学法学部を卒業しました。その後、都内の私立ロースクールに合格することができ、2023年から通いました。
2024年に在学中受験で司法試験を受験したのですが、不合格となってしまいました。不合格が確定した11月頃から勉強を再開し、今年合格することができました。
3.勉強の開始時期と利用した予備校・基本書など
司法試験に向けてというか、ロー入試に向けて勉強を開始したのは、大学3年の秋学期でした。周りが就活を開始していたこともあり、自分も何だかんだやりつつという状況でしたが、諸々の経験を経て検察官になりたいと考えるようになり、司法試験に向けた勉強を開始しました。
予備校は、金銭的な理由で通うことができませんでした。そのため、大学の法学部の授業や市販の本(呉シリーズ)を使い、インプットなどを行っていました。問題演習は、私の大学でロースクールに進学した先輩などにコンタクトを取り、添削などを受けていました。
4.R7年度の司法試験の結果について
| 短答式 | 125点(517位) |
| 論文式 | |
| 憲法 | C |
| 行政法 | A |
| 90点くらい | |
| 民法 | A |
| 商法 | A |
| 民訴 | A |
| 210点くらい | |
| 刑法 | A |
| 刑訴 | A |
| 110点くらい | |
| 労働法 | 60点くらい |
| 順位 | 360位台 |
憲法は、1回目もEだったので、普通に苦手なんだと思います。
5.勉強法について
‣ 1回目の司法試験受験
ロースクールでは、1年目の夏までは本当に授業に追われていました。また、授業の内容も難しく、周りに話を聞きながら、なんとか勉強をしていました。特に、私はロースクールの授業で初めて行政法に触れたので、行政法はマジで苦労しました。労働法も同様に、ロースクールの授業と並行して勉強を行っていました。正直、この時期に特に「これ!」という勉強法はなく、しっかりと授業の復習をやりつつ、司法試験の過去問を解ければ解く、というような生活でした。
司法試験対策を本格的に開始したのは、ロー1年の夏の終わりくらいでした。具体的にやったことは、以下の3つです。
・司法試験の起案
・自主ゼミ
・選択科目のインプット
司法試験の起案は、「ぶんせき本」という参考答案集を利用していました。やり方としては、時間内に解く → 自分の起案に赤ペンを入れる → 知識の補充、という一般的なやり方をしていました。
同じような方法で、ローの3月くらいまで継続し、過去問を全部潰すようにしていました。
‣2回目の司法試験受験
1回目の司法試験を受験し終えて、手応え的には微妙でした。実際に、公法系が壊滅していた手応えがあったので、合格できるか微妙でした。実際、去年の合格発表では不合格となっていました。順位としては、1600位くらいでした。内訳は、憲法D・行政E(公法55点)、民法A・商法E・民訴A(民事系165点くらい)、刑法C・刑訴E(100点くらい)、労働40点くらいでした。一番意外だったのは、選択科目で、40点が手応えと異なっていました。
ここで、2回目を受けるにあたり、私は下記の事項が不合格の理由ではないかと考え、改善するように努めました。
・憲法、行政の苦手をそのままにしてしまっていたこと(憲法D、行政Eの合計で55点くらいでした。多分、行政は10点台とかだったと思います。)
・短答が低かったこと(115点程度)
・論文全体で論理的に書けていなかったこと
・判例をきちんと見られていなかったこと
この失敗談を踏まえて、
① 憲法は、判例の解説書である「判例の射程」や百選の解説もしっかりと読み込み、判例の使い方をマスターする
② 行政法は、過去問を解いて苦手意識をなくしつつ、判例の知識も入れる
③ その他の科目については、行間をしっかりと説明する論文を作ること
を心掛けました(特に、どこに問題の所在があり、どのようにあてはめるのかをしっかりと理解することです)。また、短答式試験の対策も、周回を重ねるよりも、短答の肢を丁寧に復習するように心掛けました(判例問題であれば判例を当たり、条文問題であれば条文の趣旨や典型的な場面も図に書いたりして理解するようにしていました)。
色々と話しましたが、今回合格できた理由を一言でまとめると、丁寧な勉強を心掛けて実行したことにあると思います。
‣ 使用した教材
使用した教材は、下記のとおりです。過去問の出題の趣旨・採点実感は、すべて確認していました。個人的には、「判例演習行政法」、「古江の事例演習問題集」、民訴・刑訴・労働法・会社法の百選、刑法の「応用刑法」は、かなり司法試験に役に立ちました。一番参考書を使った憲法はあまり伸びていないので、もう少し日本語力や表現力を鍛えればよかったなと思っています。使い方は特別なやり方はなく、きちんと理解するまで読み、理解したら忘れないように復習するという方法を取っていました。
| 憲法 |
| 過去問 →問題文の中にある事情の使い方を覚えること、誘導にのることを身に付けるため |
| 判例の射程 →判例の使い方や意味を理解するため(通読) |
| 精読判例 →重要判例の重要な判断を漏れなく把握するために、過去問や短答で繰り返し出てくる判例を呼んでました(一部) |
| 判例百選ⅠⅡ →解説も読みました(通読) |
| 行政法 |
| 過去問、予備試験の過去問(一部) →誘導に乗ることを覚えるため、判例の使い方をマスターするため |
| 判例演習行政法 →行政法の基本書の中で自分は一番司法試験に役に立ったと思いました。(通読) |
| 判例百選 通読 →判旨のみ |
| 民法 |
| アガルートの論証集 |
| 判例百選 →司法試験の過去問に出てきた判例や重要論点の判例は解説まで確認しました。 |
| 商法 |
| 過去問 |
| 判例百選 通読 |
| 民訴 |
| 過去問 |
| Law practice(複数当事者あたり) →複数当事者はロースクールで触れていなかったため、基礎的な理解を入れるためにロープラを使いました。 |
| 判例百選 →解説まで全部読みました。(通読) |
| 刑法 |
| 過去問 |
| 応用刑法(総論・各論) →判例の理解がないと最近の刑法は難しいかなと思い、じっくり読みました。(通読) |
| 刑訴 |
| 過去問 |
| 古江 事例演習 →全体的に理論的に分からない部分を減らすことができました。また、網羅的にできたため、苦手な単元をつぶすために使いました。(通読) |
| 判例百選 全部 |
| 労働法 |
| 過去問 →答案構成だけやっていました。 |
| 学校の授業のレジュメ →ロースクールのレジュメをもとに勉強していました。 |
| 判例百選 →レジュメに記載されている判例や司法試験で問われた判例については、しっかりと解説まで読み込みました。 |
6.司法試験の1か月前から当日までの過ごし方
‣ 1週間前まで
1か月前から1週間前までは、短答式を半分くらいの時間で行いつつ、判例百選をしっかりと読み込んでいました。論証は一応持っていたのですが、司法試験に対応できそうな情報量がなかったので、民法と労働法(加藤ゼミナールの論証にかなり加筆したもの)以外は、判例をずっと読んでいました。また、本番に近い生活を過ごすために、7時に起床し、1時半くらいには寝る生活をしていました(普段の自分はかなり夜型で、3時とか4時まで起きてしまうのですが、それではやばいと思い、頑張りました)。
特に、司法試験前日に寝られなくなることも想定して、睡眠薬を処方してもらい、その睡眠薬を飲み、かつ睡眠時間を4時間くらいにあえて短くした次の日に、過去問を起案してみるなどの予行練習も行いました。書いた答案は、ローの弁護士の先生に送り、採点してもらいました。この「睡眠薬を飲んだ次の日で、かつ寝不足の日に初見の問題を解き、合格点がもらえるのであれば、何があっても大丈夫かな」と思い、行いました。
‣ 1週間前から当日まで
この期間は、何をやっても無駄なので、単純暗記の短答式の統治や相続を詰め込みました。また、原告適格の正確な論証や検閲などの、フルで暗記をしなければならない論証は、この時期に一気に覚えました。あとは、リラックスできるように、ネットフリックスなどもある程度見たりしていました。ただ、コロナになることと食中毒は本当に怖かったので、生ものを口にすることは絶対にせず、手洗いうがい、マスクの着用、手指の消毒も徹底的に行っていました。
‣ 当日(5日間)
結局、睡眠薬は1日目と2日目の前日に飲みました。3日目と4日目は睡眠薬を飲みませんでした。眠れないと困るので、起床時間の10時間前に飲むことにしていました。正直、なくても眠れたと思うのですが、眠れない方が怖いかなと思い、使いました。
中日は、短答の統治と刑法各論の要件だけを確認していました。変に早く帰ると力が入るので、22時くらいまでロースクールで勉強していました。
3日目は2科目しかないので、気楽に受けることができましたが、短答式が終わるまでは、しっかりと気を抜かず、食事にも注意し続けていました。
その後、4日目、思わぬ刑法の問題が難化(時間的な意味で)しており、刑法の足切りを覚悟しました。終了後、すぐに自己採点を行い、足切りではないことを確認して寝ました。
7.おわりに
‣ 1回目受験を予定している人へ
自分の感想としては、司法試験は、割と学力だけの試験ではないと思っています。例えば、一緒に受ける隣の人が本当に臭かったり、貧乏ゆすりで机が揺れたり、なぜか短答式の試験中なのに論文式の問題を解く並みのペンの音がするとか、色々ありますよね(1回目司法試験受験の実体験です笑)。正直、自分ではどうにもならないような影響を受けやすい試験だと思います。そのため、そのような不測の事態もしっかりと想定して、実力の全部を出さなくても受かるくらい、又はそのような中でも実力を出す準備をすることが重要なのではないかなと思います。勉強のやり方などは、普通に出回っている方法で十分大丈夫だと思いますので、そういった学力以外の部分にも目を向けてみてください(自分が1回目に落ちたのは、普通に実力が足りませんでした)。
‣ 今年落ちてしまって来年受ける予定、又は受けるか迷っている方へ
私が1回目の司法試験に落ちてしまったとき、周りの友人はかなり気を使ってくれました。また、いらない参考書をくれたり、勉強のやり方を教えてくれたりなど、本当に多くのことをしてくれました。しかし、自分から求めなければ、周りは助けてくれません(周りも気を使って、話しかけていいのか、自分から勉強方法を話したら偉そうになってしまうのではないかなど、色々考えるからだと思います)。なので、自分から周りを頼ってみてください。
正直、司法試験不合格という失敗の代償は大きいです(数年くらい大したことないと言ってくれる人もいますが、それはもっと長い目で見たときの話だと思います)。就活での影響は確実にありますし、もう一度落ちるプレッシャーは計り知れないです。特に、ローや大学に行くために奨学金を借りた人や、家庭を持っている人にとっては、1回の不合格でも受験を諦めるか検討すると思います。このようなプレッシャーは取り除くことができません。そのため、私は2回目の受験をするときに、一度受かった場合と落ちた場合の人生の計画をしっかりと立てました。そうすると、過度な不安はなくなるかなと思いますので、おすすめです。
不合格となってしまい、来年受けるかどうか迷っている人は、一度人生の計画を緻密に立ててみてください。その中で、もう一度司法試験を受けて合格する可能性がどれくらいあるのか、不合格となってしまった場合に人生は持ち直せるのかなどを、しっかりと考えた上で、受験するかを決めてみてください。
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