【合格体験記】 K.Kさん(令和7年司法試験合格)
2025年12月19日
合格体験記

1.はじめに
私は、法科大学院(既修)在学中の受験を含めると3回目の受験で司法試験に合格しました。不合格通知を受け取った時の絶望感は、今でも忘れられません。誇張なしに世界が止まって見えます。 今これを読んでいる方はそういった状況の中にいるかもしれませんが、この合格体験記がほんの少しでも参考になれば幸いです。
2. be a lawyerの指導内容
私は、強制的に過去問の検討をすることができる環境の必要性を感じました。そこで、毎週の過去問答案の提出が義務付けられており、アウトプット能力を徹底的に矯正してくれる場を求め、実績ある個別指導塾であるbe a lawyerを選びました。
その具体的な指導内容は、極めてシンプルなものでした。私の場合、1週間に2年分の過去問を解いて、それを先生に提出し、添削していただいたものを基にオンラインで答案指導を行っていただきました。添削の内容は先生によって異なると思いますが、私の先生は、他の模試や答練の添削ではありえないレベルで適確かつ詳細に添削をしてくださいました。その添削は司法試験の直前まで復習の効率を大幅に上げてくれました。丁寧に添削をしてくださった先生方には本当に感謝しています。オンラインでの答案指導は、一言で言うと添削内容を口頭で補完してくれるというものでした。添削内容で分からないことや、その他過去問で分からないことをその場で質問できたので非常にありがたい場でした。また、受験時代は誰かと話す機会があまりなかったので、先生とお話しする時間は気分転換にもなりました。さらに、個別指導の時間ではないときでも、分からないことをメールで質問したら快く丁寧に回答してくださいました。
3. be a lawyerで合格できた理由
私は、2回目受験の不合格発表直後に「さすがにやばい」と猛烈な焦りを感じました。そこで、何がいけなかったのか自己分析をしました。まず第1に、私は今まで自分の答案を誰かに見てもらったことがほんの数回程度しかないということが判明しました。短答については予備試験の短答式に合格する程度には得意であったため、あまり困ったことはなかったのですが、論文についてはインプット中心の学習を行ってきたせいもあってか、ほとんど実際に答案を書くということをしてきませんでした。そして第2に、不合格直後は切実な危機感から、爆発的な勢いで勉強を開始するのですが、時間がたっていくにつれてその危機感は徐々に薄れ、学習にムラが発生するというのが自分の経験的に明らかであることを発見しました。そこで、自己分析を行った後、不合格発表の翌日に情報収集をして、コンスタントかつ強制的に答案を書くことができる環境及び、自分の答案を見てもらえる機会を提供してくれそうなbe a lawyerにたどり着きました。また、私は一応働きながら勉強をしていたため、空いている時間でやるべきことが明確になったことも私にとってプラスでした。
be a lawyerでは、専属の講師の方がついてくれます。そのため、何が弱点なのか、どうしたら改善されるかということを数か月かけて一緒に解決してくれます。私の場合、最初の講師の方が講師業卒業のため途中で新しい講師の方に変わりました。be a lawyerには様々な講師の方が在籍していて、それぞれ違う個性や良さがあります。もちろん一貫して1人の講師の方に見ていただく良さもあると思いますが、私は2人の講師の方の良い所を吸収することができたので、より合格に大きく近づくことができたと思っています。1人目の講師の方は、非常に丁寧かつ生徒思いの献身的な方でした。そして、特に過去問の重要度が高い科目である刑事訴訟法、行政法及び選択科目である倒産法を集中してやるという方針の先生でした。そのおかげで、この3つの科目は元々苦手でしたが、得意科目にすることができました。2人目の講師の方は、指導が非常に的確で私の弱点を短期間で叩き直してくれました。そして、全ての科目を総合的にやるという方針の先生でした。そのおかげで、全科目のレベルを底上げすることができました。また、特に答案の分量に関して熱心に指導していただきました。これは私自身も最大の弱点だと思っていました。具体的には、司法試験は限られた時間内で全設問をまんべんなく検討する必要があるところ、私は前半の問題に時間や分量をさき過ぎて後半が手薄になるというパターンが多かったです。指導では、問題の配点(明示されていない場合は配点を仮定して)を意識してどこでどれぐらいの分量を書くのか考えながら答案を作成するように教わりました。これにより、途中答案になることは激減しました。不合格だった年も途中答案である科目ほど評価が低い傾向にあったのですが、今年はほぼほぼ途中答案をなくすことができましたし、ほとんど全ての科目でA評価をいただくことができました。
そして、この毎週必ず過去問を解くという習慣は、私の司法試験合格の大きな一因であると考えています。不合格だった年は継続して過去問の検討をすることがなかなかできず疎かになっていました。正直過去問検討は非常に面倒くさいです。司法試験の論文式の制限時間は共通科目については2時間、選択科目については3時間であり、1年度分解くだけでも多くの時間がかかります。しかもそれが8科目もあるわけですから、相当面倒くさいです。仮に過去問を解いたとして、次は復習が待っています。復習は過去問を解くのと同じくらいか下手したらそれ以上に時間がかかります。普通なら毎週必ず2年分の過去問を解くというのは私にとってかなりハードだったと思います。しかし、オンライン指導では私が書いた答案を基に指導が行われるため、私が答案作成をサボると指導してもらうことができなくなってしまいます。また、私が書いた答案を先生に出して添削していただかないといけないため、オンライン指導の直前に答案を提出したのでは先生に大きな負担がかかってしまいます。答案添削にも相当な労力がかかると思います。そのため、余裕をもって答案を作成することができましたし、答案作成をサボったことは1度もありません。このように、自分1人ではなく、誰か他人も巻き込むような環境設定ができると長く厳しい学習もなんとか継続することができるのかもしれません。
4. be a lawyerをどのような方におすすめできるか
まず第1に私のように複数回受験をされる方には強くおすすめします。なぜならば、大学院を卒業すると学校に行かなくなるため、基本的には1人で勉強することになるからです。1人で勉強を継続するのは大変孤独ですし、基本書を読み込むばかりの勉強法や過去問の検討をしなくなるなどの誤った勉強法に陥りがちです。be a lawyerは、勉強法についての相談も気軽に乗ってくれました。また、週に1回でも合格者の方と法律のお話をすることができる機会は非常にありがたいものでした。修習地のお話を聞いたりしてモチベーションアップを図ることもできます。そして、たまっち先生もたまにオンラインで面談をしてくださるので、メンタルケアの体制も整っていると思います。
第2に、私のように怠け癖がある人や、過去問の検討を疎かにしたり、その後の復習が手薄になったりする人にもおすすめします。これはどの資格試験や受験にも言えることですが、過去問は砂漠における水と同じぐらい重要なものだといっても過言ではないと思っています。過去問は、出題者の思考を学ぶ最高の教材です。必ずしも全年度分をフル起案する必要はないかもしれませんが、少なくとも問題文、出題の趣旨、採点実感及び合格者の再現答案を読み込むことは必要不可欠だと思っています。私の講師が、「出題趣旨と採点実感は司法試験委員会からのラブレターだと思って読んでください」とおっしゃっていたのですが、本当にその通りで、これらの中には合格のためのエッセンスが詰まっているなと思いました。再現答案については、最初はこんなの書けるかよと思うこともあるかもしれませんが、分量や書き方など参考になるところも非常に多いので読むべきだと思います。
5. be a lawyer以外の合格要因
私が今年合格した大きな要因として、第1に不合格発表後の初動の速さが挙げられると思います。1回目の時はショックが大きすぎて年明けまで一切勉強をすることができませんでした。今年はそれではマズいと思い、不合格発表後はとにかく迅速に学習に着手しました。まず初めに、苦手科目をなくすことが最重要事項であると考えました。1回目の時は民事訴訟法が1番苦手だったのですが、努力の結果、1番得意な科目にすることができました。そうすると次は行政法の苦手を克服しようと考えました。そこで、事例研究行政法という演習書が良いといううわさを聞いたので、それを購入し、1か月半で2周回しました。その結果、行政法アレルギーを大分克服することができ、個別指導の過去問検討にいい形でつなげることができました。今年不合格だった方で、この体験記を読んでくださった方にはぜひとも明日から学習に着手して苦手科目を克服していただきたいです。しんどいと思いますが、心から応援しています。なお、1回目に民事訴訟法の苦手を克服したときは、学習への着手が遅かったこともあり、民事訴訟法の改善で手一杯になってしまいました。そのため、とにかく1日でも早い着手が重要だということは特に強調しておきたいです。もっとも、仮に着手が遅くなってしまったという人でも、be a lawyerの先生は効率良く合格の方向に導いてくれると思いますので、指導を受けるのも1つの手だと思います。
第2に、複数回受験の経験を経て、よく分からない問題に遭遇してもあまり動揺することがなくなったことが挙げられます。「どうせみんな分からないから何とか考えて書けば大丈夫だ、最悪後に回してもう1度考えよう」という心持ちで挑めました。実際、試験当日はよく分からない問題が出て焦ることもあるかもしれません。しかし、たとえ1位の人でも満点は取れない試験です。そこで立ち止まり、時間を消費してしまうことは非常にもったいないです。「あー、今焦ってる受験生もいるだろうなー」ぐらいの気持ちで対処しましょう。
6. 合格の感想
合格発表の前日はやはり落ち着きませんでした。去年は朝まで1人で居酒屋にいましたが、今年は1人でスーパー銭湯に行った後カラオケ屋でお酒を飲みました。あの夜のことは2度と忘れられないくらい私にとって大切な思い出です。合格発表の当日は発表までずっと緊張していました。発表は、家で法務省のホームページを見て合格を確認した後、法務省の掲示板に行きました。自分の番号を見つけた瞬間は、喜びと安堵が同時に込み上げてくるという、今まであまり経験したことのない感情になりました。両親に報告した後、法務省に向かう途中で見た空は数年ぶりに見た綺麗な空でした。その後は多くの人がお祝いをしてくれて本当に嬉しかったです。皆さんに感謝しています。ここまで頑張ってきて良かったなと思いました。合格はもちろん嬉しかったのですが、それ以上に、成績が返ってきて自分の苦手だった科目達に良い評価が与えられていたことに大きな喜びを感じました。何事においても、苦手を克服するということは非常に感動しますし、喜ばしいことです。苦手科目に取り組むことはしんどいですし、あまり面白くもないかもしれません。しかし、苦手を克服した後の喜びは何事にも代えられないです。これから受験する方は未来に大きな喜びが待っていると信じて苦手科目に取り組んでみてください。
7. 最後に
ここまで私の合格体験記を読んでいただきありがとうございました。私は複数回受験しましたが、この経験は私の人生において非常に有意義なものだったと思っています。これを読んでいる方はこれからが踏ん張りどころかもしれませんが、今やっていることは必ず自分の力になります。試験までは長いようで本当にあっという間なので、自分を信じて突き進んでください。心より応援しています。勉強に疲れたら何でもいいので娯楽も挟んでみるといいかもしれません。ちなみに私はほぼ毎日ミスタードーナツを食べながら散歩をしていました。非常に良い気分転換になりました。散歩は運動不足解消にもつながるし、頭の中を整理することにも役立つので、おすすめです。
改めて、私を今まで応援してくださった方々に感謝申し上げます。
-1-1024x536.png)
-2.jpg)