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【司法試験受験生必見!】エントリーシート(ES)の書き方

2025年8月4日

お知らせ

こんにちは、be a lawyer講師のHMです。

今回は、弁護士の就職活動で必須となるエントリーシート(志望理由書)の書き方についてご紹介します!

エントリーシートを作る5つのSTEP

STEP1.自己分析

 エントリーシートを書くにあたってまずしなければならないのは、自分自身の分析です。一般就職と同様に、エントリーシートとは、自分自身を事務所に知ってもらい、自己をアピールするために書くためのものであり、その内容の始まりである「自分自身はどのような人間なのか?」を考えることはとても大切です。自分自身がこれまでどのような人生を送ってきたのかを振り返ってみて、多岐にわたる自己を分析してみましょう。少なくとも、①これまで実際に経験してきたこと、②長所短所を含めた自分自身の性格、③自分が好きなこと、興味があること、④問題意識を持っていること、については実際に書き出してみるといいです。③や④については、どうして興味があったり問題意識があったりするのかの理由付けも含めて考えておきます。また、自分では気づかない自分について知ることができるかもしれないため、仲の良い友人や親に聞いてみるのも良いと思います。

STEP2.将来分析

 次に将来分析です。エントリーシートは今ある自分を新しい場所に持っていくための手段なので、自分がこれから何をしたいのか、どうなりたいのかという将来について分析する必要があります。具体的には、将来設計をどのように考えているか、例えば、このような業務分野に詳しい弁護士になりたい、渉外弁護士としてこの国に住みたい、何歳までに結婚して子供が欲しい、独立して自分の弁護士事務所を設立したいなど何でも良いです。そして、その1つの中にこの事務所に行きたいという希望が入ってくるはずなので、なぜその事務所に応募するのかという理由を意識して将来やりたいことを書いていくとなおいいです。やりたい業務分野が含まれている、妊娠・出産に配慮がされている、海外留学への支援が豊富である、教育が充実しているなど抽象的に自分が将来やりたいことと事務所の共通点を探してみましょう。

STEP3.事務所のリサーチ

 続いて、応募する事務所をよくリサーチすることが必要不可欠です。相手がエントリーシートを見るときの1番のポイントは、「この人をうちの事務所の一員にしたいか」「この人とうちの事務所の相性がいいか」ということですので、エントリーシートではそれをアピールする必要があります。就職は恋愛のマッチングと同じように、人と事務所の相性が1番重要なので、どんなに応募者が優秀だとしても相性が悪いと判断されてしまっては意味がありません。そのため、まずは相手のことを知るためにその事務所のリサーチをする必要があります。

 リサーチ材料として1番手軽なのはホームページを見ることです。ある程度の規模がある事務所であればホームページが用意されていますし、事務所の紹介だけではなく業務分野や事務所のメンバー、採用情報が載っています。事務所には必ずカラーがあり、保守的な事務所から新しいものを取り入れていきたい事務所、海外業務や専門分野を特色としているものなどがあり、企業理念のようなものが書いてある事務所もあります。これらの事務所情報をよく収集することは、本当にこの事務所に自分が行きたいのか、入った後でも相性の観点から後悔しないのかを考える上で役立ちます。そして、できればその事務所に実際にいる弁護士の先生に話を聞いてマッチング具合を確かめるとなお確実です。実際に入所した先生であればエントリーシートに何を書いたのかや何をアピールしたのかもきっと教えてくれることでしょう。

STEP4.エントリーシートの中身を書いていく

 自分自身の過去未来を分析して事務所のリサーチを行ったら、次にエントリーシートの中身を書いていきます。後述のようにエントリーシートでは論理的な一貫性が見られますので、①現在の志望理由が過去のどのような体験から生まれたのか、②その理由が事務所への志望にどのように合致するのか、ということを志望理由書に入れましょう。この、過去・現在・未来の論理の流れを作ることで非常に説得的で一貫性のある記述になりますし、応募者がどのような人なのかということとその人と事務所の相性が良いということをセットでアピールできます。

STEP5.人に見てもらう

 ESを書き上げた後には必ず人に見てもらいましょう。どうしても自分の書いた文章を読んでも目が滑ってしまって誤字脱字や文書のおかしさに気づくにくいですし、案外文章の癖があって読みにくくなってしまっている場合もあります。先入観のない人物に読んでもらい、誤字脱字の確認と共に率直な感想をもらうのはとても大事です。

書き方のポイント

 上記のSTEP.4でのポイントは、とにかく伝えたいことを分かりやすく見やすく記述することです。そもそも、弁護士は法律家である前に日本語のプロであり、文章によって人に何かを伝え説得する職業です。そのため、エントリーシートの記述はその能力を測る文章でもあり、一種の論文試験だという緊張感を持って書き上げてほしいです。決して適当に書いてはいけません。また、エントリーシートは大量に事務所に送られてくるはずであり、日頃忙しくしているはずの人事担当の弁護士や事務員が見て先行を行う資料ですから、冗長で読みにくい文章は御法度です。簡潔に分かりやすく、核心をついた文章を書くように心がけてください。

 具体的には、

・一文が長くならないようにする

・主語や目的語が抽象的にならないようにすること

・5W1Hを意識して具体的に書く

・伝えたいポイントを明確にして絞る

・結論を最初に出しておく

・論理的に一貫した文書にする

などを意識すると良くなります。

 このうち抽象的な文章になってしまうのはよくある悪い例で、自己アピールが成績の良さだったりバイトでの活躍だったり、他と被る一般的なことである場合には他の応募者に埋もれてしまい、記憶に残らないエントリーシートになってしまいます。どんなに一般的な自己アピールだとしても、そのとき自分自身が考えたことや具体的な細かい経験を入れることで、その人がどんな人だったのか見える文章になります。

よくある質問例

 弁護士事務所の事務所訪問やインターンの応募にあたってよくある質問をまとめてみました。事前にこれらに対する回答を作っておくと汎用性が高く、便利です。

・自己PR

・弊所を志望した理由

・弁護士を目指したきっかけ

・将来どのような弁護士になりたいか、理想の弁護士像

・興味のある業務分野

・これまで力を入れてきたこと(※いわゆるガクチカ)

・自分の長所、短所(※短所は正直に書きすぎない)

・自分の趣味、特技(※印象的で覚えやすいものが好ましい)

その他

 今回はエントリーシートの書き方を紹介しましたが、大体エントリーシートの提出の場合は顔写真、大学やロースクールや予備試験の成績証明書の提出が義務付けられている場合が多いです。そのため、これらのデータをPDFおよびJPEGのファイル形式で用意して「就職」などと名付けたフォルダにまとめておくと大変便利です。顔写真はできれば証明写真機などではなくちゃんと写真館で撮った物を使いましょう(背景は白が無難)。そして、エントリーシートだけでなく面接が先行にある場合には必ずエントリーシートに書かれたことを踏まえて質問がきますので、自分が書いたことは必ずどこかに保存しておいて面接前に頭に入れておいてください。口頭でさらに詳しくわかりやすく説明する練習をしておくとなお良いでしょう。

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