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【2025年最新版】ロースクールの選び方と受験対策ガイド

司法試験を受けるにあたってほとんどの人は予備試験ルートではなくロースクールルートを通って受験資格を得ると思います。

今回はこれからロースクールルートに進む方のために、その選び方や具体的な受験の準備について紹介します!

1.ロースクールの選び方

 現在日本には国公立私立合わせて36校のロースクールがあり、学費も場所もバラバラになっています。基本的に、人によって場所や学費、カリキュラム等が重要なポイントになってくると思います。

 しかし、ロースクールに通うのは司法試験受験資格を得るのが1番の目的であり、司法試験合格を見据えるとそれよりも重視すべきことがあります。それは司法試験の合格実績です。法務省はロースクール別に司法試験合格率をデータとして出していますので、こちらが参考になります(法務省https://www.moj.go.jpPDF令和6年司法試験法科大学院等別合格者数等)。このデータを参考にすると、受験者及び合格者が多いロースクールがどこなのかがわかります(合格割合が高くても分母がそもそも少ない場合があるため注意)。合格者数でいえば、慶應、早稲田、東大、京大、中央の順、合格率でいえば、慶應、愛知、京都、一橋、東大の順に多く、総合して慶應、東大、京大、早稲田、一橋、のロースクールは司法試験合格のために目指すべきところといえます(大学名略)。このようなロースクールは、レベルの高い学生や教授が在籍しており、勉強環境として優れていることが予想されます。ロースクールは少なくとも2年間在籍してずっと法律の勉強をする場所ですので、レベルが高い場所で切磋琢磨することは大きな刺激となります。また、在学人数がある程度いたロースクールの方が情報が回りやすく勉強内外で有利な立場に自分を置くことができます。場所や学費の問題から上記のロースクールに行くことが厳しい場合でも、少なくとも合格者や合格率をみて上位のロースクールを目指すべきです。

 そして、合格者数等の次に重要なのは、ロースクールの留年率や修了率です。現在司法試験に在学中受験が導入されていますが、結局ロースクールを修了しなければ修習に行くことはできず、ロースクールを無事に卒業できるのか否かという点は大事なポイントです。また、在学中受験をする場合には授業を受けながら司法試験の勉強をすることになるので、そのカリキュラムの厳しさも見るべきポイントです。令和5年度の留年率(令和6年度法科大学院関係状況調査:文部科学省)をみると、1年次(未修)の留年率は2年次よりも高くなっており、どちらの留年率も1桁のロースクールもあれば3〜5割のロースクールもあり、かなり差があるといえます。未修1年次は知識を詰め込むことになり過酷なカリキュラムが組まれていることが多いため、未修から入学される方は特にこの留年率に注意してロースクールを選ばれるのをおすすめします。また、上記数字には中退者や勉強以外の都合で留年した人が含まれている可能性があるため、実質的にはもう少し少ない可能性もあり注意が必要です。また、修了率(令和6年度法科大学院関係状況調査:文部科学省)をみると、標準修業年限修了率(入学からストレートで卒業した割合)を見ることができ、8割を超えているロースクールもあれば1,2割となっているロースクールもあり、様々です。時間やお金に余裕があるかによらず、やはり修了までの年月は少ない方がいいのでこの割合が高い法科大学院を目指すべきでしょう。留年率や修了率が低いということは、それだけ授業のハードルが高く、カリキュラムもタイトになっている可能性があるので、ロースクールのホームページやパンブレットも併せて見るのをおすすめします。

 続いて重要と考えられるのは学費です。学費には入学費や施設管理費が含まれており、国立、私立、公立によって異なります。少なくとも既修では100万円、未修では200万円かかり、ロースクール在学のために引っ越したり家を借りたりする方はその倍近くかかることになるでしょう。しかし、ロースクールによっては奨学金や学費免除・半免の制度があるため、最初から金額で諦めるのではなく色々調べてみましょう。

2.ロースクールの受験の準備

 行きたいロースクールが決まったら、その受験要件を調べて申し込みましょう。ロースクールによって願書の出し方や選抜方法、受験科目は異なりますので必ずよく受験要綱をよく読むようにしてください。今回は受験の準備としてするべきことを挙げました。

・法律の勉強(既修)

 既修コースではその名の通り、予め法律の基本的な知識を既に修めた者を募集するコースのため、法律の勉強が最も重要な準備となります。また、論文式の試験が基本的な問題形式となるため、基本的な知識があるだけでなくそれを論文の形にアウトプットすることが必要不可欠です。基本的には民法・憲法・刑法が受験科目となりますが、ロースクールによっては行政法まで受験科目に含まれる場合があるので気をつけましょう。対策として基礎知識を固めることと過去問の起案を繰り返して出題傾向を知っておくこと、慣れることがいちばんの道と言えます。また、ロースクールによってはそれ専門の模試や予備校のカリキュラムもあるためそれを活かすのも手です。

・小論文対策(未修)

 未修の場合は、法律の基礎知識が要求されない代わりに小論文の問題が設けられています。小論文では主に資料の読解、思考、文章力が問われているため、それを高めることが対策といえます。具体的にはやはり過去問を解いて出題傾向を知ること、そして書いたものを人に見てもらうことが大事です。

・志望理由書作成

 既習・未修問わず、志望理由書(ステートメント)の作成が必要になっていると思われます。入試といえば法律科目や小論文が大事と思いがちですが、ロースクールによっては志望理由書の採点割合が多い場合もあるので侮ってはいけません。志望理由書も論文試験や小論文と同じで、ロースクールが何を聞かれているのかを分析した上で具体的かつわかりやすい日本語で論述する必要があります。結局日本語の試験という点で同じということです。対策として、書いてみた志望書を人に読んでもらい、何回も書き直してブラッシュアップすることが1番に挙げられます。また、自身とロースクールの相性についてよく伝わるような内容にするため、ロースクールのホームページやパンフレットをよく読んで理解を深めることも重要です。具体的にカリキュラムのどの授業・ゼミがいいのか、どの教授に教わりたいのかなどを書くのもいいです。

・(ロースクールによっては)英語のスコア

 ロースクールによっては英語試験のスコアが必須の要件になっている場合もあります。英語のスコアが高いと加点になるケースもありますが、その場合はかなり高いレベル(帰国子女レベル)を要求される可能性もあるので慎重に考えましょう。やはり基本的には法律や小論文の勉強をするのが対策の基本のため、それとのバランスを気をつけたいです。とりあえず早めに勉強して取っておくというのも戦略の一つです。そして、英語試験スコアの平均値が高いところもありますが、低くても法律科目が高ければいいというところもありますし、それもロースクールによって異なるためよく調査しておきましょう。昔スコアを取ったという方はそれが入試に使えるのかも確認しましょう。

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