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日本大学法科大学院の受かり方・入学後の過ごし方とは?

2025年12月23日

法科大学院

日本大学大学法科大学院入学のための勉強法

まず、日本大学大学院法務研究科の受験は3回行われます。試験科目は憲法・民法・刑法の3科目で、各科目の足切りが50点とかなり高めに設定されています。入学試験の3回のうちの3回が条文と基本的な判例についての出題です。また、3科目の入試が終わった後、速やかに面接が行われます。面接にも150点の配点が振られており、足切りが100点に設定されています。

各科目の試験時間は60分とシビアであり、後述のように、内容が基本的な問題であることを踏まえれば、何が聞かれているか、論点であるかをすぐに把握する必要があります。私は、受験を間近に控えた時期では、毎朝過去問を1科目、時間を計って解いていました。その際、制限時間を50分に設定して、書ききることを意識していました。

憲法について

近年、各ロースクールでは、憲法の入試問題で統治が出題されることがありますが、日本大学大学院法務研究科も例外ではありません。私が受験し、合格した年の入試でも、統治の分野からの出題がなされました。もっとも、統治は、規範を明示し、立てた規範に当てはめることができれば、それだけで合格ラインに乗ると考えられます。そのため、統治分野については、少なくとも予備校が市販している問題集に掲載されているものくらいはマスターしておくとよいと思われます。

人権分野については、各分野の重要判例の事実関係、規範、あてはめ、理由づけ等を判例百選や問題集を通して修得・確認する必要があると考えられます。

民法について

 民法については、「取消前の第三者」、「取消後の第三者」や、「無権代理と相続」といった、基本的かつ典型的な論点について出題されることがほとんどです。そのため、書くべきことが明確になっており、その部分について記述する意識が先行しがちです。このような意識になることは全受験生同じであるため、条文の文言に忠実に答案を作成することが大切になってくると考えられます。基本的な論点についての知識を獲得し、条文に忠実な答案を作成するために、一般的な論証集や問題集を使って、処理手順等を確認するのが良いと考えられます。私も、論証集と問題集で合格しました。

また、失踪宣告といった、短答では頻出であるものの、論文ではあまり出題されない分野からの出題がなされたこともあることから、余裕のある方は短答を通して、論文ではどのように記述するかのイメージを持つこと、条文の背景にある考え方から規範を作り出し、その場をしのぐ方法を考えることも大切になってくると思われます。

刑法について

 刑法については、刑法総論・各論のいずれからも出題される可能性が高いです。そのため、日本大学大学院法務研究科入試に限らず、出題可能性の高い分野の処理手順を体得しておく必要があります。また、刑法各論については、財産犯だけでなく、文書偽造罪について正面から問うてくる年度もあります。そのため、構成要件の各意義については確実におさえておくこと、問題の難易度自体は高くないことから、事実の評価もしっかりと考えて自分の言葉で説明することも大切になってくるかと思われます。

面接について

 日本大学大学院法務研究科では、記述での入試終了後、すぐに面接が行われます。面接では、日本大学大学院法務研究科の志望理由や、どのような法曹になりたいか、なぜ法曹を志したか、他大のロースクールを受けたか(受けていないとしたらそれはなぜか)、どのような教材を使っているか(いわゆる予備校本を使用しているか)、得意科目と苦手科目は何か、なぜ苦手と感じるのか、社会人であれば仕事を辞めて通うのか、辞めずに通うなら、本当に通えるのかといったことが聞かれます。願書提出の際に記載した事項についての質問から、属人的な質問までなされるため、何が聞かれても詰まらずに一定の答えがスムーズに出すころができれば、面接で落とされることはないと思われます。また、面接が行われることから、スーツで受験する受験生が多いです。中には、スーツでなく私服で面接まで受験する受験生もいますが、それでも合格したと言っていたので、服装が原因で落とされることはないようです。もっとも、私は、面接官にいらないイメージをもたせないために、あえてスーツ以外の服装で受験することはおすすめしません。

日本大法科大学院入学後の過ごし方

授業

 既修に入学して初年度の基本7科目の授業は、基本的に新しく知るような知識はなく、むしろ入学時点において当然持っていると思われる知識のブラッシュアップを目的としている授業が主でした。そのため、入学時点において、基本7科目については、典型的な論点の問題の所在や処理方法等について知っておかなければ授業についていくことは困難であると考えられます。

 既修2年目(最終年度)の授業は、演習科目がほとんどです。初年度の授業で得た知識を実際に使って、司法試験の問題や場合によってはそのレベルを超えた授業がなされます。そのため、1年目の夏休みや、春休みの間にいかに知識を確実なものにしておくかが肝になってくると考えられます。

 いずれの授業も基本的知識を有しているかに重点を置いており、いわゆるソクラテスメソッドによる授業が行われます。他大のロースクールは予習が大変であるといった話も聞きますが、日本大学大学院法務研究科は、社会人受験生に配慮されたこともあって、どの科目も1時間以内で予習が終わるようになっていると考えられます。指名された事項について答えられればそれでよいという最小限の準備で授業に臨むのであれば、もっと少ない時間で済むかと思います。私としては、授業内容のほとんどが基本的な部分をあつかうことから、ある程度しっかり予習したほうがよいと考えています。

授業内容と合格率との関係

 日本大学大学院法務研究科の令和7年度の合格実績は、104人受験し、最終合格をしたのは21人(最終合格率20.19%)、在学中受験に関しては、25人が受験し、7人合格(最終合格率28%)でした。たしかに、在学中受験の合格率はそれほど高くはなく、また、卒業後の受験生(修了生)の合格率もそこまで高くはないというのが現状です。しかし、このような数字になっていることの原因が、基本的な知識の確認に重点を置くという授業の内容にあるとはあまり考えられないように思われます。なぜなら、司法試験は、基本的な知識があることを前提にして、基本的知識の確認と、典型論点から少し離れた問題や、重判に掲載されてはいるものの、その存在を知らずとも条文の趣旨や目的から十分に考えつく問題がほとんどであるためです。重判掲載の判例等を熱心に取り扱わず、基本的な概念について確認し、その点に関して説明する日本大学大学院法務研究科の授業でも、十分に司法試験に合格することは可能です。実際、私の周囲の合格者も、日本大学大学院法務研究科の授業だけで司法試験に合格したと言っている方が複数います。

成績

 私の現時点での日本大学大学院法務研究科での成績は、上位5人に入っており、GPAは2.7/4.0でした。日本大学大学院法務研究科において、成績の良し悪しと司法試験の合格可能性の間に一定の相関関係にはないとされています。そのため、成績がよかったとしても、長期休み期間中に慢心せず、知識の獲得・定着に尽くし、時間がある分、過去問演習をすることで、本番をより意識した生活をすることが大切になってくると思われます。

使用教材

 私は、日本大学大学院法務研究科在学中、全科目過去問を中心としつつ、民事系はロープラクティス、刑法は徹底チェック刑法、憲法・刑訴は伊藤塾の試験対策問題集(いわゆる新赤本)、行政法は判例百選等を使った判例の確認をしていました。予備校の教材については、憲法でBEXAの憲法講座、労働法で加藤ゼミナールの重要問題100選を購入したのみであり、基本的に動画を見て勉強する、といったことはしていませんでした。

おわりに

日本大学大学院法務研究科は、社会人が仕事を辞めずに、仕事をしながら通うことができる数少ないロースクールの一つであり、社会人受験生の増加に伴い、社会人経験の有無、若者であるか否かを問わず、年々合格難易度が上昇してきている傾向にあると考えられます。日本大学大学院法務研究科に限らず、事前準備として、判例や条文の学修をすること、典型論点の処理手順を確立させておくこと、条文を出発点とした思考方法を確立しておくことが大切になっています。

入学してからも、基本的知識の定着を怠らないこと、過去問演習をすること、私はやりませんでしたが、学生同士で行う自主ゼミを活用して、知識の定着を確認しあうことも有用です。短答対策や論証の暗記を、移動時間をはじめとした隙間時間に行うことも大切になってきます。

日本大学大学院法務研究科に限らず、基本的知識の習得・定着が、ロースクール生活を送るうえで容易になってきますので、怠らないで頑張ってほしいと思います。

私の経験が、これからロースクール進学や司法試験合格を目指す方々にとって、少しでも参考になればと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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