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短答式試験の勉強法とは?

2026年7月9日

勉強法

1 短答対策総論


 こんにちは、be a lawyer講師のKです。今回は来週に迫った司法試験・予備試験の短答式試験の対策法について解説していきたいと思います。

 予備試験・司法試験は一般的に短答式試験に比べて論文式試験の重要性が高いと言われています。なぜなら、予備試験では短答式に合格したとしても論文式試験に合格しなければ口述式試験に進めないですし、司法試験では短答式試験は民法・憲法・刑法合わせても論文式1科目分の点数しかなく論文式試験の配点のほうが圧倒的に高いからです。
 しかし、私の個人的な見解としては短答式試験の重要性と論文式試験の重要性は5分5分くらいであると考えています。なぜなら、予備試験では短答式試験に合格しなければ論文式試験に進むことができませんし、司法試験では論文式1科目分しかないといえども他の論文式試験の科目の点数を伸ばすよりはコスパが良く合格への後押しとなる重要な要素といえるからです。
 実際に、私の同期には令和7年度司法試験において短答式試験である程度点数を取っておいたおかげで最低合格点の1点差で受かるという奇跡を起こした方もいます。私自身も令和7年度司法試験の短答式試験において高い点数を取っておいたおかげで11月の結果発表まである程度安心して過ごすことができました。予備試験は短答式試験の結果が論文式試験の合格に直接結びつくわけではありませんが、司法試験においては短答式試験の点数が論文式試験の各科目と同様、合格に必要な点数として加算されます。そのため、人にもよりますが短答式試験の点数が低いと11月の合格発表まで一喜一憂する人も出てくるのではないでしょうか。私の周りでも短答式試験の点数が低かった人は合格発表まで点数が高かった人と比べてソワソワしていた印象です。このような状況は精神的に良くないと思います。
 加えて、令和7年度の司法試験の短答式試験においては刑法の穴あき問題の穴が増えたり、憲法の肢が以前の問題に比べて判断しにくいものになったりと難化傾向にあります。そのため、令和7年度の司法試験においては科目足切りの人数が例年よりも多かったです。私の周りでも憲法の短答式の足切りを受けてしまったことから論文式試験の採点をしてもらえない方がいました。そうなると、合格しないことはもちろんのこと仮に落ちていた場合でも短答式試験に合格していれば論文式試験の採点をしてもらえることから今後の対策を立てやすいのに対し、短答式試験に不合格になると論文式試験の採点をしてもらえないことから以降の司法試験の対策が難しくなると思います。
 ここまで短答式試験の重要性やおろそかにした場合のデメリット等を述べてきました。このような話を聞くと短答式試験が怖くなってくる方もいるかもしれませんが、予備試験においても司法試験においてもしっかりと対策をすれば短答式試験は高い確率で合格することができると思います。それどころか、特に司法試験においては短答式試験を安定した得点源として考えることができそれが結果として最終合格につながるという大きなメリットを得ることができます。
 そこで、今回は令和7年度司法試験に合格した私が予備試験・司法試験の各科目の短答式試験の対策方法をお教えしようと思います。

2 各科目に共通する短答式試験の対策方法


 従来の短答式試験の対策としてはいわゆる肢別本や短パフェあるいはTKCの短答問題集などで対策している方が多かったと思います。もちろん従来の対策で高得点を取る方はたくさんいらっしゃると思います。
 しかし、私はそのような対策方法を取っておらず資格スクエアの短答アプリを使って問題を解いていました。理由としては、アプリであれば紙を広げる必要がなくどこでも勉強することができるためスキマ時間にやりやすいからです。短答式試験の対策で重要なのはこのスキマ時間を活用するということで、この方法をとることが結果的にまとめて時間をとる際は論文式試験の対策をするというメリハリをつけることにつながります。短答式アプリについては様々な予備校等が出していると思いますので、私が使っていたものに限らずご自身に合うものを使っていただければと思います。私はこの短答アプリを平成18年度の新司法試験の短答式試験の問題〜令和6年度の予備試験・司法試験の短答式試験の問題まで、全ての肢について理由づけまで含めて正解するまで繰り返し解いていました。結局のところ短答式試験の点数アップのコツはあきらめずに地道に努力することだと思います。
 また、令和8年度の試験からCBTが導入されることとなります。そうすると、紙媒体で勉強するよりも電子媒体で勉強する方が試験に慣れるという意味においても有効なのではないでしょうか。そのため、CBTが導入されていなかった私のときと比べて短答アプリを使うことの有用性が高まっているのかと思います。
 以上のように、短答アプリを使ってある程度の量の問題を理由づけを含めて正解できるまで繰り返し解くというのが各科目に共通する短答対策法だと私は考えています。なお、私は過去問しか使っておりませんが必要に応じて他の問題集を使ってみるのもアリかもしれませんね。

3 個別の対策法について

(1) 民法

民法は、短答式問題集を繰り返し解き、解説に引用されている条文を必ず六法で確認することが最も重要です。

民法短答では、条文の文言や制度趣旨を理解しているかが問われる問題が数多く出題されます。そのため、「解説を読むだけ」で終わらせず、自分の手で条文を開き、前後の条文や準用関係まで確認する習慣を付けましょう

この学習方法は短答対策になるだけではありません。近年の民法論文では、論点よりも条文操作や制度理解が問われる問題が増えており、条文学習はそのまま論文対策にもつながります。


(2) 憲法

令和7年度司法試験短答式試験を受け、「判例を全文読まなければ対応できないのではないか」と感じた方もいるかもしれません。

しかし、試験対策として考えると、最初から判例全文を読み込むことは効率的ではありません。

まずは短答式問題集の解説を丁寧に読み込み、そこで引用されている判例の規範・理由付け・結論を正確に理解することを優先してください。判例集を読むのは、解説だけでは理解できない重要判例に限れば十分です。

憲法短答は、繰り返し問題を解くことで「この肢は判例らしい」「この表現は誤りになりやすい」といった出題者の癖が見えてきます。知識だけでなく、問題の感覚を養うことも重要です。


(3) 刑法

刑法については、短答対策よりも論文対策を優先すべき科目です。

刑法短答の多くは、構成要件や犯罪体系、判例の考え方を正しく理解していれば解ける問題です。そのため、まずは論文対策を通じて刑法の基本的な思考方法を身につけることが重要です。

もっとも、短答プロパーの知識や細かな判例知識については、短答問題集を繰り返し解きながら補強する必要があります。また、令和7年度司法試験のように穴埋め問題の比重が高くなる可能性も十分考えられます。

穴埋め問題で特に意識していただきたいのは、すべての空欄を順番に埋めようとしないことです。バカ正直に1つ目の空欄から考え始めると、時間を大きく消費してしまいます。

まずは選択肢全体に目を通し、「これは確実に入る」と判断できる語句から埋めていきましょう。確実なものを先に埋めることで、残った選択肢が自然と2〜3択まで絞られ、残りの空欄も解きやすくなります。

穴埋め問題は知識だけでなく解き方も重要です。限られた試験時間の中で得点を最大化するためにも、「確実に分かるものから埋める」という解法を普段の演習から徹底しておくことをおすすめします。


(4) 商法

商法は、短答七法の中でも特に条文知識が得点を左右する科目です。

問題集の解説に掲載されている条文は必ず六法で確認し、準用条文や例外規定まで意識して学習してください

商法は「なんとなく」では解けません。条文を繰り返し確認した受験生ほど安定して得点できます。


(5) 民事訴訟法

民事訴訟法は、単に正誤を覚えるだけでは得点力が伸びません。

各問題について、「手続のどの場面を聞いているのか」「既判力・訴えの利益・当事者適格など、どのテーマの問題なのか」を常に意識しながら解きましょう

短答で体系を意識して学習することは、そのまま論文式試験の理解にも直結します。


(6) 刑事訴訟法

刑事訴訟法も、論文対策をしっかり行えば、多くの短答問題は自然と解けるようになります

一方で、論文ではほとんど問われない期間・通知・令状・条文番号など、短答特有の知識も一定数出題されます。

問題集を繰り返し解きながら、「論文では出ないが短答ではよく出る知識」を意識的に整理していきましょう。


(7) 行政法

行政法は、判例理解が最も重要な科目です。

もっとも、最初から判例全文を読み込む必要はありません。まずは短答式問題集の解説を通じて、判例の結論・理由・射程を理解することを優先してください。

その上で、理解が曖昧な判例や重要判例だけを判例集で確認すれば十分です。

行政法は同じ判例が形を変えて繰り返し出題されるため、一冊の問題集を何度も解き直し、判例知識を確実に定着させることが高得点への近道です。


4 まとめ


 短答式試験も論文式試験と同じくらい重要であるとの認識をもつことが必要不可欠であると個人的には思います。このような意識を持てば私のような勉強方法を取らずとも、自ずと勉強の仕方は確立するでしょう。直前期になって短答を詰め込むということにならないように計画的に勉強しましょう。
             

  

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