広島大学法科大学院の受かり方・入学後の過ごし方とは?
2026年7月30日
法科大学院
1 広大ローの受かり方
(1)はじめに
私は広大ロー出身で令和7年度司法試験に1発合格した講師のKと申します。広大ローは地方の国立大学ですからそれほど目指す人は多くないかもしれません。しかし、それではこの文章を書く必要がなくなってしまいます。そこでまずは広大ローの魅力を司法試験合格の観点から語ってみたいと思います。
(2)広大ローの魅力
広大ローは法務省が掲載している各法科大学院の合格数や合格率を見てみると、正直合格数も合格率もそれほど高くはありません。しかし、このデータは内部にいた私からすると、広大ローの魅力を大きく低下させるものとはいえません。
なぜなら、まず、広大ローにおける令和7年度司法試験の合格者は40人程度受験したうちの9人となっていますが、そのうち8人は一発合格です。そのため、直近で入学した広大ロー生が広大ローの合格率の大半を占めています。このデータから近年の広大ローの教育は司法試験合格の観点から進歩していることが分かります。つまり、今、広大ローに入学することは司法試験合格にとって大きなメリットといえるからです。
また、広大ローの魅力は数値だけにとどまりません。他のロースクールと比べて少人数だからこそ、教員や合格者の個別指導や添削指導が多いのも広大ローの魅力と言えます。この魅力については広大内部にいる頃は気づかなかったのですが、修習中に他大のいわゆる上位ローに通っていた人たちと話していて気づきました。司法試験は自分の答案が読み手に伝わる文章であるかを把握するのが非常に難しい試験です。それゆえに、個別指導や添削指導がない場合は、文章を書く能力がもともと高い人、例えば名門大学出身者が圧倒的に合格しやすいです。しかし、個別指導や添削指導を数多く受けることで、自身の答案の読みづらいところやクセなどを添削を通じてある程度把握することができます。これらを把握することが何よりも重要であり、それは学歴等は関係ありません。広大ローは個別指導や添削指導が多いので、文章を書くことにそれほど自信がない方にこそおすすめできるロースクールといえます。
(3)広大ローの問題点
ここまでは広大ローの魅力を語っていきましたが、受験するロースクールを決定するに当たって重要である問題点も紹介しておきます。
まず、大阪・東京の法律事務所の情報があまり入ってこない点です。これについては、主体的に動ける人は問題ないですが、そうでない人には大きなデメリットかと思います。
また、いわゆるノリの良い人は少ないかもしれません。もっとも、この点については静かな学生生活を過ごしたいと考えている人にとっては大きなメリットかもしれません。
まとめると、人間関係も含めて落ち着いた環境のなかで、少人数であることを活かした個別指導や添削指導を数多く受けたいと考えている、文章を書く能力にあまり自信がない方には広大ローは合っているのかなと思います。
(4) 広大ローの受かり方
以上の通り、広大ローの概要をお伝えしたうえでここからは広大ローの受かり方を紹介します。
広大ローは行政法を除く基本6科目が試験範囲となります。勉強方法としては網羅性のある問題集を繰り返し解くことで論文の書き方をある程度理解した上で、あと広大ローの過去問を何年か分見るといったやり方で良いと思います。過去問については解説はありませんが問題の難易度自体はそれほど難しいものではありません。そのため、同じ広大ロー志望の方がいればその方々とゼミを組む形でも良いかもしれません。ちなみに私は広大ロー志望の人が周りにいなかったので、自分で問題を解いて答案構成にそれほど迷わなければOKといった形で問題を解き進めていました。
上記2つを繰り返せば基本的には問題ないかと思います。理想を言えば予備試験の合格を目指して勉強をしていけば広大ローの個別対策を特段取る必要がなくなる上、司法試験の対策にもなりますので一石二鳥かと思います。
広大ローの入試ではそこまで難しい問題は出ないことから、とにかく条文から丁寧に検討するということさえ意識すれば合格自体はそれほど難しくないのかと思います。
2 広大ロー入学後の過ごし方
(1) 総論
広大ローに入学した後は広大ローのカリキュラムを理解した上で司法試験合格に向かって勉強していく必要があります。そこで、以下において広大ローの司法試験受験科目のカリキュラムの大まかな特徴を説明しつつ、司法試験合格の観点からどのような勉強をすれば良いかを紹介したいと思います。
(2) 憲法
憲法はソクラテス多めの先生とオーソドックスな授業をする先生がいます。両者とも司法試験関連の授業内容が多いですが、既習入学の場合それほど憲法の答案の書き方を教えてもらうことはできません。憲法の答案の書き方についてはロー3年時に憲法の流儀の伊藤先生が授業をするカリキュラムがあるのでそれで勉強するか、辰巳の合格思考や予備校などの教材を使って学ぶことをお勧めします。ちなみに、私がロースクールにいたころは先生方が期末試験で出された問題と類似する問題が司法試験で出たので、期末試験を復習するのも良いかもしれません。
(3) 民法
民法は実務家教員と学者の何人かで授業が行われています。学者の授業ははまる人にははまる授業みたいですが私にはあまりはまりませんでした。そのため、予備校の講義などを中心に、民法の広範な知識を身につけ、ある程度論文の書き方が確立してきたら、短答の問題で出てくる条文について仮に論文試験で出た際にどのように条文操作をするか等を自分で考えるといったように、民法の条文をなるべく抑える勉強を独自にしていました。他の科目もそうですが、民法は特に条文が重要ですのでとにかく丁寧に読み込み主要な条文については覚えるくらいの勢いがあっても良いかもしれません。
(4) 刑法
刑法は学者の先生が主に授業を行っています。刑法の先生は二人いますがそのうち一人は最先端の学説に関する講義をすることがあります。非常に参考になるのですが司法試験において必要な知識よりもはるか上をいっています。そのため、そこに深入りするのは司法試験の対策としてはあまりお勧めしません。しかし、その先生は個別指導をしてくださるところ、その個別指導では答案の隅から隅まで指摘してくださるので非常に参考になります。
私個人としては、予備校などで答案の型をある程度固めたうえで、上記個別指導や合格者の添削を受けるなどして実力を伸ばしていっていました。
(5) 商法
商法はオーソドックスな授業が展開されます。そして毎回任意提出の課題が与えられます。この課題は添削をしてもらえますので、司法試験対策として非常に有益です。そのため、可能な限り提出すると良いかと思います。この課題を丁寧にやっておけばある程度司法試験の対策になると思います。あとは予備校などで答案の型を固めつつ、条文を丁寧に読み込むことが大事だと思います。
(6) 民事訴訟法
民事訴訟法は手続を重視した授業が展開されます。手続面は予備校があまり丁寧に教えてくれる部分ではないため、私としては授業を丁寧に復習することで理解を深めていました。そのほかの面は予備校などを中心に理解を深めていました。
(7) 刑事訴訟法
刑事訴訟法はローの教授が非常に熱心な方で司法試験対策のゼミを開いてくださります。そのゼミに食らいつけば司法試験対策としては十分すぎるくらいかと思います。
(8) 行政法
行政法は広大ロー生の間で非常に人気の講義となっています。もっとも、個人的には授業内容が難しくあまり参考になりませんでした。そこで、私は予備校を中心に答案の書き方を学び、ある程度理解できたらあとは司法試験の過去問を繰り返し解いていました。
(9) 終わりに
各科目ごとにロー入学後の勉強の仕方を解説していきましたが、大事なのはとにかく司法試験の過去問を繰り返し解くことだと思います。それさえ守ればあとはある程度勉強の仕方は自由なのかなと思います。勉強以外には、ひとりひとりと密な関係を気づくことができるのも広大ローの良さかと思います。そのような関係性の中で得た仲間と時には息抜きをするのもありかなと思います。実際に私はそうしていました。一人でも多くの方が広大ローを志望することを願っております。
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